先週のそれスノ観てたら泣けてきた話

 

それスノ#31の配信を初めて観た時、どうして、今自分が携帯を握りしめて泣きそうになっているのかわからなかった。

普段配信当日に観ることはないが、リンクコーデ企画なんて絶対に面白いに決まってる。予告をみた時から楽しみにしていたのに、観終わった後に残ったのは、なぜか泣きたいような、なんとも言えない気持ちで。ずっとモヤモヤしていたのだが、数日経ってやっと自分の感情に頭が追いついてきた。つい先日からブログを再開しててよかったな。むしゃくしゃしたものをこうやって書いて整理できるから。

 


本当のところ、私は最初からこのモヤモヤの訳がわかっていた気がする。目を背けたかったのだろう。目を向けると気づいてしまうから。

 

 

私はSnow Manを観ていて、苦しい瞬間がある。


私はSnow Manを、比較的ゆっくりと好きになった方だと思う。特別ドラマのある出会いではなく、ただ友達と一緒に行ったコンサートでジャニーズJr.という存在を知り、家に帰って少しずつ名前を覚えて、曲を聴いて。気がついた時にはSnow Manから目を離せなくなっていたのだから、やっぱり彼らに人を惹きつける力があるのは間違いない。Snow Manのパフォーマンスが、温かな空気感が、絶やすことない向上心が好きだ。


でも最近考える。Snow Manに出会うのがもう少し遅かったら、私は彼らを好きになっていただろうかと。

まだまだ勉強不足で知らないことが多い私でも、2年前よりは勉強し、本を読み、多くの人と出会い、言葉を交わした。今の私なら、きっとSnow Manのことをよく知ろうともしなかったと思う。

簡単な話だ、私の見え方が変わったのだ。


数段階段を上っただけで、今まで見えていなかったものが、見えるようになってしまった。

 

 

推しのやることなすこと全部がかわいい。

アイドルに何を求めてるの。

気に食わなければ見なければいい。

 

全部、数年前は自分が言っていたね。推しが批判されているのを見かけてもずっとこんな調子で、私は3次元であれ2次元であれ推しに対して盲目で鈍感なオタクだった。

日々本気で上を目指してる推しに対しても失礼な発言だったよ。反省してくれ。

支離滅裂な悪口を投げる方々の気持ちは相変わらずわかりかねるが、中には彼らの可能性を誰よりも信じているからこそ苦言を呈していた人もいたのだと今ではわかる。

 

 

私も今スノの可能性を信じていたいからこそ、9人の「鈍さ」と「想像力の欠如」が時々苦しい。

 

 

 

先週のそれスノで、マネキンのスカートを下から覗き込むくだりがあったこと。

異性に関心を持つこと自体は思春期の自然な現象だが、スカート捲りを「思春期なんだな〜」と数万人が視聴する番組でおもしろおかしいネタとして演出してしまったこと。

それを促す流れをSnow Man自身が作り出したこと。

それで9人全員が、スタッフの皆さんが笑っていたこと。

 

 

それらの全部が私は哀しかった。

私は人一倍優しくて空気を読むのが上手なふっかさんを知っているから、1人がパスを出したらみんなで繋げてオチに持っていく9人の団体芸が好きだから、何一つ悪気がないのがわかるから、哀しくて仕方なかった。悪気がないのが1番哀しかった。

 

これじゃ、性暴力をネタにする番組だと思われても仕方ない。

攻撃的な表現かもしれないが、と上の文章の前につけようと思ったけど、やめた。別にスカート捲り=性暴力と表現することは攻撃的でもなんでもなく事実だったことを思い出した。私もまだまだフィルターがかかってる証拠だな。

人じゃない、マネキン相手じゃないかというのは擁護になっていない。Paraviの視聴数ランキング1位の番組で「スカート捲りは可愛くて笑える行為」と表現してしまったことが問題なの。スカート捲りは性暴力だ。

 

前回のセンスあるーマン企画が面白かっただけに余計。デビューしてすぐのなにもかも未知数なSnow Man冠番組を持たせるという賭けにでてくれたTBSさん。Snow Manの活動を日頃からチェックして、一人一人のキャラクターを把握し愛をもって番組を作り上げてくださっている約50人のスタッフ陣に、感謝と同じくらいの失望を表する。

笑いのピントが合ってないよと伝えたい。毎週高評価を押してくれる人にじゃないよ、今、世間で起きる様々な問題を他人事だと看過せず、敏感になって怒れる人が増えつつある日本中の視聴者にだよ。


同じようにモヤモヤしたそれスノ裁判。

苦々しささえ感じた。まさか好きなアイドルを観ていてそんな気持ちになるなんて。視聴後すぐは、そのモヤモヤが康二くんの無償の愛情を気持ち悪いと弄られた切なさからだと思っていたけれど、それだけじゃなかった。

以前、オネエと弄られた友人に対して、「襲わないでよ!?」と冗談を言って笑いを取ろうとした男子におぼえた不快感と似ていたからだ。

 

こういう話をしていると思い出すのがメンバーへの容姿に対する弄り。本人が弄って、と言ってるんだからいいんじゃん。美味しいと思ってるんだからいいじゃん。という話ではない。私もふっかさんの顔のデカさ弄りで笑ったことがあるし、その頃「笑えない、キツい」と言われたら「みなかったらいいでしょ」と反応していただろうから耳が痛いけど。

 


ほんと、キツいよ。やめた方がいい。やめるなら、本当に早い方がいいの。

該当メンバーのファンだってそれが見たい、じゃないの。

生まれもったものを貶すことがいかにナンセンスか。それも不特定多数の人間が観るメディアの中で。

世界には自分たち以外に、容姿、環境、国籍の違うどれほど多様な人間が存在するのか。生まれもったもので様々な扱いを受けてきた人がどれほどいるのか。知らないなら想像してほしいの。あなたたちはどこで評価されたいと言っていた。世界を目指しているんでしょう?


カメラのないところで、ただ仲間内で戯れているところにまで介入するつもりはない。まあ普段からしている言動が表に出ないとは限らないけど……正直スノのみんなが裏でどんな話をしているかなんて私には知る術がないから。

でもSnow Manは街を歩けば声をかけられる芸能人で、CDを出せばミリオンヒットを叩き出すようなアイドルで、世界中の人の目に触れるYouTubeのチャンネル登録者数は90万人超えの有名人だ。影響力と責任はセットだと思う。自ら望んでその地位にいるのなら、尚更。


以前の私は、どうしてアイドルにパフォーマンス以外のことを求めるんだろうと言っていたね。彼らが人よりもスポットライトを浴びていられる理由もまたそこにあるのだと気付いていなかった私へ。

アイドルは、憧れられ、真似され、人々の生き方に絶大な影響を与える存在だからだよ。

アイドルへの愛情や憧れは信仰に近い。“偶像”なんだよ。小学校の先生が間違ったことを教えてはいけないのとちょっと似ている。生徒にとって、学校の先生は正しさの象徴だから。

未だに容姿弄りや女性軽視の残る日本のバラエティに出演し続けるためには仕方ないとかいう意見もあるのかな。むしろ私は、Snow Manのことを何も知らない人々に数分で全てを判断されてしまうバラエティに、今の彼らが出演し続けることはハイリスクだと思うけどな。特に数名の女性に対する発言やホモソーシャル的な思考には何度も冷や汗をかいたことがある。

正直私の中にもスノを擁護したい気持ちがまだ強いから、葛藤してる。こんなこと思いたくない。でも、一度見えるようになってしまったものを見えないフリはしたくない。

 

これは私のわがままだけど、Snow Manには息の長いグループになってほしいのだ。

せっかくデビューできたんだもの、SNSを使うことも許されているんだもの。磨きあげたエンターテイメントを自由に発信して、世界中の人へ笑顔を繋ぐグループになってほしい。

小中学生の次の日の話題に上ってほしい。

Snow Manが出てるなら観ようって思われるような誰もが知ってる国民的、世界的なアイドルになってほしい。

初めてSNSを駆使し、デジタルに進出した新世代ジャニーズとしてだけじゃなく、フェアな人権意識を持ち、自分たちの発信力の強さを理解した上で正しく活用する真の意味での新世代アイドルとして名を残してほしい。

 

 

って、ここまで書いて、さっきそれSnow Manにやらせてくださいのテーマソングの歌詞をみていたんだけど、なんだか涙が出てきた。

 

 

 

<ナミダの海を越えて行け>

 

Everybody clap!! Everybody stomp!!

Everybody scream!! Oh,yeah!!

"...Well done!"

 


帰り道の暗闇、遠くで誰か笑ってる

誰もいない街、朝を待つほどに長い夜だ

テールライトの灯り、最終便が走り去ってく

見送る事に 気付けば慣れていた

 


じゃぁ過ぎたる夢と諦めようか?

『今度こそは』を期待した手

何度も雲を掴んだって

運命は自分が決めたろう? 

 


ああ、しょっぱいぜ!ナミダの海越えて

無理難題な夢をまた見ような?

風に走れ 汗かいて 転げて その身を焦がせ

失敗の数だけ増えようが

間違いなんて誰が笑えようか?

雨に打たれ 泥飲んで 踏まれて 花開け

 


『いつの日か』が今日の日に

目覚めない夢に

訪れるまで!

Everybody clap!! Everybody stomp!!

Everybody scream!! Oh,yeah!!

 

 

 

私、この歌が好き。

 

私も、彼らの可能性を信じているファンの1人だ。

見送ることに慣れていた彼らと無理難題な夢を一緒に見たいし、9人なら雨に打たれて泥飲んで踏まれても、大きな花を咲かせると信じる。『いつの日か』が今日の日になる日を一緒に迎えたい。私、笑わないよ。9人なら絶対にスターになれるよ。


でも、このままじゃダメだろうとも思う。

スノのみんなは気づいてるだろうか。誰かの雨に打たれ泥飲んで踏まれる人生の加害者側に加担していることに。

 

気づいて、改めてほしい。知らないことは悪じゃない。知ろうとしないことが良くないんだよ。

 

どうせ空気を上手に読むくらいなら、そこに不格好な風穴を最初に開けられるアイドルになってほしいと思うのだけど、これは無理難題な夢物語だろうか。

 


私には、それこそ一番格好よくて新しい“初”のアイドル像だと思える。